#59 抗癌剤2回目。ホンマに効いてる?2023年05月01日

(前回からの続きです。初めて読んで頂く方のために今までの流れを説明します)

昨年の暮れ、幼馴染で当院の運営顧問でもあるA君に肺癌が発覚。余命は5ヶ月。

肺癌にはいろんな治療法があるが、間質性肺炎があるA君に使える治療法は限られる。

彼に『漢方薬も飲んだらどうか』と勧めたがA君は論理的に拒否。(No.57参照)

A君曰く『抗癌剤は殺人兵器』

能天気な彼でしたが、さすがに生まれて初めての抗癌剤は入院して慎重に行った。副作用は出ず、元気 はつらつ。

A君はこの結果に不満で、『副作用が無いということは主作用もない。抗癌剤効いてへんやん!』

主治医は『今後、何回も続けるうちに必ず副作用は出ますから』と言う。毛が抜けてくるらしい。

A君は毛が抜けたら頭を丸め、作務衣(さむえ)を着て仕事をする。修行僧の格好が憧れだと、ワクワクしながら抜け毛を待ってる。

彼はA総合研究所の社長。

A君の場合、2回目以降は通院による抗癌剤投与。毎週するらしい。抗癌剤投与の前に毎回血液検査。問題なければ次の抗癌剤を行う。

彼は検査結果を写メしてラインで送って来た。個人情報をラインで送るなんて、まぁ、本人が送るんやから、ええか。

検査結果は、まったく問題なし。すぐ2回目の投与は開始されました。

数日後、A君に連絡すると、すごく機嫌がわるい。『どうしたん?』

A君
「なぁ、どう思う? おかしいやん。全然副作用が出ぇ〜へん。支払いの明細書見たら、抗癌剤9万円や。 へ?  あの1時間で9万円? うそやろ! 痛くも痒くも何とも無い。俺より高いのに、なんやねんこれ!」

A君のコンサルタント料は1時間6万円。

抗癌剤が9万円でも保険で3割負担だから窓口の支払いは3万円で済む。しかし実際は1時間9万円の抗癌剤。これにカチンと来たようです。

『9万円も価値ある薬やのに、なんで痛くも痒くもないんや!』

主治医は『まぁ、そのうち、必ず副作用はでますから・・・』とA君をなだめる。

A君
「毛が抜けたら作務衣を着るんや。俺、職場でそれ着て坊さんの風格で仕事するんや。ワクワクしてんのに全然その気配ないやん。俺のワクワク台無しや!」

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『やっぱり、コイツの脳にはすでに癌は転移してるな。思考が狂っとる』と今回も思いましたが、あまりに機嫌が悪いので、何も言いませんでしたよ。(つづく)

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