#56 23_3_20 友人A君の余命は5ヶ月2023年03月20日

(前回からの続きです)

あたしの友人A君の肺に影が見つかった。どうも肺癌が疑われる。精査するためにA君の友人Bは、かつて勤務したことがある病院の呼吸器外科にA君を紹介した。

肺癌は進行が早いので急ぐ。レントゲン・MRI・血液検査・心電図・肺機能検査・造影剤を使った脳のCT、そしてPET(ペット)と一気に検査を済ませた。

結果・・・・・

外科医師
「Aさん。画像のデータを見る限り肺癌ですね。幸いまだ脳には転移してませんが、腰と仙骨周辺に転移してます。しかも間質性肺炎も疑われる。肺気腫もあります。

もうAさんの肺はボコボコですよ。タバコ? すぐ止めてください。タバコは怖いですよ。タバコはナメたらあきません!ナメたら!」

A君
「先生、タバコはナメるものではなく。吸うものです」

外科医師
「・・・・(汗) この癌はステージ4の位置にあり手術不可能です。呼吸器内科を紹介しますから診察と検査・治療をうけてください」

A君は呼吸器内科を受診。入院して細胞検査。数日後、癌と確定診断されました。

内科医師
「外科の先生からお聞きかと思いますが、癌の転移があり手術は不可能です。ステージ4です。抗癌剤治療が必要です。

ただ、抗癌剤は癌の進行を止めるのが目的で、治すものではありません。今は余命5ヶ月と申し上げます」

A君
「抗癌剤しか方法はないのですか?」

内科医師
「放射線治療とか、他にもいろいろあるのですが、間質性肺炎が疑われて使えないのです。

それらの治療をして、かえって間質性肺炎が悪化する場合があり、その時は一気に肺が真っ白になって1ヶ月で死ぬ場合があります」

診察室から出て来たA君に「どうやった?」と聞きましたら

A君
「余命5ヶ月やて。抗癌剤治療するんやて。人生初めての体験がまた1つや。ワクワクやん。俺が抗癌剤したら、どんな感じになるんやろ。キャー、おもしろそう」

自身の余命5ヶ月宣告より、初めての体験にワクワクするA君。こんな調子でずっとあたしのピンチを救ってくれた彼ですが、なぁA君、今度は君がピンチなんやで。(つづく)

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